新ぶたパンダの冒険T: 『時空レンジャーの誕生』

 
    朝、目が醒めたら、ぶたパンダは、「国際救助隊」の隊員だった。
    しかも、時空パトロール隊のうちでも、唯一歴史を変えることが許され
    るという特別なライセンスを与えられた、「時空レンジャー」だった。
        
    時空を越え、様々な困難からキャラクターを救出するという、特殊で
    困難な任務を負った、時空レンジャーの活躍が、いま、はじまります。

         
    ゆうべ、なんだかいつもより枕が固かったような気はしましたし、かすか
    にですが、ヴィーンと何かがうなるような音がしていたような気もします。
    が、それは、たしかなものではありません。
    でも、夢の中ではありますが、はっきりと国際救助隊の隊員に任命され
    た記憶があります。
    そして、その証拠に、枕もとには国際救助隊のバッチが輝いています。

    そういえば・・・
    ぶたパンダは、昨夜の夢・・・枕もとに立った人を思いだしていました。
    「君は、今日から国際救助隊の隊員に任命された。国際救助隊員は、
    様々な困難にあっているもの、救助を求めるものたちを救い出すのが
    任務だ。そして、君は時空を超えて活動する時空パトロール隊員だ」

    なんだか、体の割に頭が大きく、そして不釣合いなくらいに大きな目を
    した、まるでマリオネットの様な、少し不自然な動きをする人でした。

    「3つの条件が守れるなら、君は、歴史を変えることが許される特別な
    ライセンスを持つことになる。
    ひとつ、だれも傷つけてはならない。ふたつ、痕を残してはならない。
    みっつ、それは幸せな結末でなければならない」

    「ぼくは、その3つの条件を、どれも守ることができます」と、答えました。
    こうして、時空レスキューという特別なライセンスを持つ『時空レンジャー』
    が誕生したのです。

    バッジを胸につけたとき、バッジが小さく振動しました。誰かが呼んでいる
    ようです。すると、目の前の景色がとつぜんゆがみ、玄い穴が開きました。
    あらゆる空間、あらゆる時間に網の目のように張りめぐらされた、ワーム
    ホールが開いたのです。

    「ワームホールは、救助を求めているもののところへ君を運んでくれる」
    昨夜、夢の中でそう説明を受けたことを思い出しました。
    「よーし!」。
    ぶたパンダは、迷わずにそのワームホールに飛び込みました。
 
                                   2004.12.22

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