知ったか天国
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対岸に羊締山を
望む・・・無い?!
(壮瞥のお不動山頂から)
この日の洞爺湖は
いつもの
エメラルド・グリーン
ではなく
まるでハワイの海の様な群青色だった
いま、この「お不動山」の
麓に住む私の両親は
「有珠山の噴火で
壮瞥の滝が切れたら
神社が一番で
我が家は5〜6番目に
流されるぞ!」
と言って笑う・・・
2000年の噴火を聞いた時
有珠山のどちら側で
噴火があったのかが
気になったのだ
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ウウェペケレ(昔話)
むかし、西のコタン(村)の優れたオツテナ(むらおさ)には二人の息子がおった。兄は何事にも優れ、何でもたったの一度で覚えたが、弟は何をやっても何を教えても、さっぱり出来る様にはならんかった。
成人の朝、オツテナは弟を呼んで言った。「お前は、人一倍立派な身体と容姿を持っている。しかし、もう、お前を家に置いておくわけには行かない。」そう言って、エムシ(刀)を与えたんださ。
弟は、自分が居ることで父や兄に迷惑をかけてはいけないと悟り、一人で旅に出る事にしたんだが、これとて行く当てがある訳もない。
とぼとぼ歩いて行くと、ポロペツ(大きな川)のほとりに出たんだと。すると、そこにはやはりエムシを持った、自分と同じ年頃の美しい若者がおった。若者は弟を見るとニコリと笑いかけ、やおらエムシを抜いて斬りかかって来た。弟もエムシを抜き、一太刀、二太刀切り結ぶと、若者はひらりと風の様に舞い上がって向こう岸に舞いおりた。負けてなるかと弟も飛び上がると、やはり風の様にひらりと飛んで向こう岸に舞いおりた。そこへすかさず若者が斬り込んできたので、弟は風の様にひらりと舞い戻ったが、若者もそれを追いかけてひらりと舞い戻った。それから、何度と無く切り結んだんだんが、さっぱり決着がつかんかった。
すると突然、「どうか話を聞いて欲しい」と若者が話しかけてきたんだと。「自分は、あるコタンのオツテナの末子だが、何をやっても巧く出来なかったので家を出たのだ。あなたもそうだろう。」と言った。
そしてここまで来た時にサンピラタ(川の神)に逢い、あなたが来ることを聞いた。さらに、ここからずっと先にアプタ(虻田)と言うところがあり、そこには大きなトー(湖)があるが、そこを守るトーカラカムイ(湖造神)がいなくなってしまったので、そのトーを守らせるために私達が選ばれたこと。私達が家から出されるようにしたのも、斬り合いをしたのも「腕を試したい」と言うサンピラタの考えであったこと。二つの瓢箪に入った神酒が授けられたことなどを話したんだと。
6日6晩、若者二人は歩き続けてアプタのトーに着いた。湖畔に腰を下ろして神酒を酌み交わすうちに、不思議にも段々と神通力がつき、人間の国も神の国も良く見渡せるようになった。
二人は飲み終わって空になった瓢箪をトーの中に投げ入れた。すると、たちまちそこに大小四つの小山が出来て中島となった。渡ってみると、そこには二人の住む小金造りの家が建ち、家の中には美しい宝物が山とつまれていて、二人の美しい娘が出迎えてくれたんだと。二人の若者はそれぞれ妻に娶り、力を合わせてトーヤ(湖の岸:洞爺湖)を守ったんだと。
※異論・異説もあるでしょう。でも、私はこう聞いたんだから仕方が無い。
※エムシは、儀式用の装飾刀で本来は戦いの道具ではありません。
洞爺湖データ
直径約10Km、周囲約43Km、湖面標高84m、湖面面積70.7u、最大深度180mのカルデラ湖で、中に4つの島がある。支笏湖と並んで最北の不凍湖であり、支笏洞爺国立公園をなす。
子供の頃、二人が腰掛けて神酒を酌み交わしたのは洞爺村の「あけぼの」あたりでの事だろうと漠然と思っていた。生まれ育ったのが洞爺村だから、子供の想像力では仕方がない。けれど本当はどこが舞台なのだろうか?洞爺湖温泉なのかソウペツ(滝のある川:壮瞥)なのか?
ポロペツは長流川のことだと思っていたが、歩いて6日6晩もかかりはしない。いま思うとオサマンペツ(河口が平行して流れる川:長万部)かも知れない。う〜ん、疑問が増えてしまった。
誰か、私に薀蓄を・・・!
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