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知ったか その7  ● 恐竜の絶滅(植物の逆襲) ●

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バロサウルス

「重いトカゲ」の意味
全長27m・高さ15m
アメリカ自然史博物館

2本の足で立ち上がり、
高い場所にある植物の
葉を食べることが可能であったと考えられている





エドモントサウルス

「エドモントのトカゲ」
の意味
長さ13m・高さ3m
ユネスコ村大恐竜探検館

白亜紀中期に登場し、
北米・アジア・ヨーロッパと、広く分布していた





トリケラトプス

「3本の角」の意味
全長9m・高さ2m
アメリカ自然史博物館
 
新しい環境に適応した
ニュータイプの恐竜
大きな頭と下を向いた顔
その姿はサイに似ていて
大群で草を食んだと
考えられている


 1億6千万年に渡って繁栄を続けた恐竜の絶滅の理由は、まだ確定されてはいませんが、
いま、50を超える
【絶滅説】のなかで、【巨大隕石の衝突説】が最も有力と言われています。
実際に6千500万年前に巨大隕石の衝突があったことが分かっていますし、あの繁栄を極めた恐竜の大絶滅の理由としては説得力があって、とても受け入れやすいやすいものです。
しかし、恐竜の化石を丹念に調べて行くと、巨大隕石の衝突の前、すでに環境の激変によって絶滅へのシナリオはかなり深く静かに進行していた様です。

1.約2億年ほど前に誕生した恐竜は、生殖が遅く繁殖に長い時間を要するけれど、広大で、 
  かつ一様に安定した植生を持つ裸子植物の森に、最も適応した動物であると言えます。
  この時代、高さ50mにもおよぶ巨木がそびえたち、深い森が広がっていました。その巨木
  に追いつこうとするかのように、また競う様に恐竜達もドンドンと巨大化していきました。
  そして、およそ5万年の時をかけ、史上最大の陸上動物へと進化していったのです。
 
2.1億1千万年前頃、植物界に革命が起きました。繁殖の早い顕花植物、すなわち被子植物
  が登場したのです。これによって裸子植物による巨木の森は次第に駆逐され、恐竜の食欲
  を満たす巨木の森が徐々に消えて行ったのです。
  1億年以上に渡って、裸子植物の巨木の森に適応してきた恐竜は、被子植物を食料とする
  ことが出来なかったと考えられます。(コアラは、特定のユーカリの葉しか食べない。)
  
3.巨大な裸子植物の森が減少して行くのと重なる様に、巨大恐竜が衰退して、繁栄を誇って
  長く地上を支配したバロサウルスも、白亜紀の始め頃に姿を消してしまいました。
  そして、花が一気に勢力を増していった白亜紀。ジュラ紀にはバロサウルス、セイスモサウ
  ルス、アパトサウルス、ブラキオサウルスなど、少なくとも10種類以上いた巨大恐竜たちは
  わずか1種類を除いて絶滅してしまいました。

4.アラスカ州ノースロープで、白亜紀の中頃に出現したカモノハシ竜の仲間で、エドモントサウ
  ルスと呼ばれる、比較的に小型の恐竜の化石が大量に発見されました。
  北極圏に位置し、当時の年間平均気温は約7℃前後。同じ地層から見つかった植物化石
  は90%以上がメタセコイアなどの裸子植物です。裸子植物から花(被子植物)に適応出来
  なければ、たとえ厳しい環境であったとしても今よりは暖かく、大量に裸子植物のあったここ
  に移動して来るしかなかったのでしょう。

  ルーカス・スピルバーグの恐竜アニメ「リトルフットの大冒険」(ダイアナロスの歌う主題歌が  印象的でした)では、最後のプロントサウルスの「リトルフット」とトリケラトプスの「セラ」が、
  仲間達とともに食料となる植物と水を求めて長い長い旅をする、感動的なお話でした。


5.カナダ・アルバータ州のレッドディア川。別名「時の河」とも呼ばれ、川に沿って7500万〜
  6500万年前までの地層が現れています。ここで、白亜紀後期に最も繁栄した角竜のひと
  つ、トリケラトプスが大量に発見されています。彼らは、花(被子植物)の広がる暖かい地域
  で発見されていることから、新しい植物に適応した恐竜だと考えられています。
  しかし、彼らも植物との共生関係を持つことが出来ず、だんだん排除されて生態系の中から
  外れていったと考えられています。  ・・・ 知ったか【植物の戦略】も併せてご覧ください。
  共生関係が築けない以上、植物にとって恐竜は一方的な破壊者であったのです。
  7500万年前にはトリケラトプスなどの角竜が10種類ほどもいましたが、それからわずか
  十数万年後には、わずか2種類にまで減っているのです。
  1億6千万年にも渡って地上に君臨し続けたさしもの恐竜も、6千5百万年前頃にはすでに
  大幅に減少していたのですね。

  あれ?生きていた時代が違うし食物も違う?じゃあ「セラ」は、食料を探して「リトルフット」と
  一緒に旅することなど出来ないし、そんな必要も無いじゃああ〜りませんか?

6.そんな6千500万年前のある日、直径が10Kmほどもある巨大な隕石が地球を直撃したの
  です。45億年前の、ジャイアントインパクト以来の大きな衝撃です。
  運動エネルギーが一瞬で熱エネルギーに変わり、大規模な火災が発生しました。森林を焼
  き尽くして酸素が不足し、発生した大量の二酸化炭素によって多くの生物が滅びました。
  空高く舞い上げられた大量のちりや埃が幾重にも地球を覆い、ついには地上に太陽の光は
  ほとんど届かなくなり、暗黒の世界が広がりました。巨大隕石のもたらした長い冬です。
  この事件で、わずかに残っていた恐竜達は、完全に地上から姿を消してしまったのです。

  太陽の光が再び地上を照らし始めた時、すでに植物との共生関係が出来ていた、私達の
  祖先である哺乳類の爆発的な増加と繁栄が始まります。
 
これは植物が食べられるだけの関係を断ち、共生すべき相手を選択した結果だとも言えます。
植物の世界が変わったとき、また、動物の世界も大きく変わらざるを得ない・・・ということです。

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